[プロが教える] 安全な脚立を見分ける「溶接・リベット」のチェックポイント|ベトナムの現場で労働災害を防ぐ品質基準

はじめに

ベトナムの製造工場、建設現場、物流倉庫において、高所作業の必須ツールである「脚立」。日常的に使用される器具だからこそ、その選定や安全点検は、現場の労働安全衛生(OSH)を左右する極めて重要な任務です。しかし、多くの現場では「高さ」や「価格」だけで脚立が選ばれ、最も負荷がかかる「接合部」の品質が見過ごされがちです。

本記事では、ハセガワベトナム(Hasegawa Vietnam)の専門エディターが、脚立の寿命と安全性を決定づける「溶接」と「リベット(鋲締め)」の構造的な重要性を徹底解説します。ベトナムの最新の労働災害データや品質規格(TCVN・JIS)を交えながら、現場監督者や購買担当者が明日から実務で使える「目視での良品見分け方」を伝授します。従業員の命を守り、企業の安全管理体制を強固にするためのバイブルとしてご活用ください。

課題と背景

市場データ

近年、ベトナムの産業界は急速な近代化を遂げていますが、それに伴い労働安全の確保が急務となっています。ベトナム労働傷病兵社会省(MOLISA)が発表した近年の労働災害統計によると、国内全体の労働災害による死亡事故のうち、建設・製造・物流分野が占める割合は全体の55.3%に達しています。さらに、これらすべての業界において「高所からの転落・墜落(Ngã từ trên cao)」は、発生原因のトップ3に常にランクインしており、全死亡事故の約34.2%を占めているのが現状です。

高所作業における墜落事故の多くは、不適切な足場や、経年劣化・強度不足の脚立を使用したことによって引き起こされています。現在、ベトナム国内のECサイトや現地の金物市場(Chợ Dân Sinhなど)では、1台あたり300,000 VND〜500,000 VND(約12〜20 USD)といった極めて安価なローカル製脚立や、ブランドを偽った模倣品が大量に流通しています。これらの多くは、アルミニウムの肉厚が1.0 mm未満と非常に薄く、さらに荷重を支えるための「溶接」や「リベット」の処理が極めて雑であり、産業用としての安全基準を満たしていません。

リスク提示

接合部に欠陥がある脚立を現場で使用し続けることは、企業にとって計り知れないリスクを生み出します。アルミ製脚立のステップ(踏ざん)や支柱の接合部が作業中に突然破断した場合、作業員はバランスを崩し、2メートル以上の高さから床面のコンクリートへ垂直に墜落することになります。これにより、複雑骨折や頭部外傷、最悪の場合は死亡に至る重大な労働災害(Tai nạn lao động)が発生します。

ベトナムの改正労働安全衛生法(法律第84/2015/QH13号)に基づき、万が一、基準を満たさない作業器具の使用によって重傷者や死亡者が出た場合、企業およびその現場責任者は厳格な法的責任を問われます。具体的には、最大200,000,000 VNDの行政罰金、最長3ヶ月の操業停止処分、さらには重大な過失とみなされた場合は刑事責任(禁錮刑)が科されるリスクがあります。また、被災した作業員への医療費補償や、事故対応による現場の稼働停止、企業ブランドの失墜による経済的損失は、安価な脚立を導入して節約したわずかな購買コストの数百倍、数千倍になって企業に跳ね返ってくるのです。

製品・サービス紹介

  • ベトナム国内の全労災死亡事故における「転落・墜落」の割合:34.2%(出典:MOLISA統計)

  • 脚立・はしごの安全性を規定する日本の国家産業規格:JIS S1121(出典:日本産業標準調査会)

  • ハセガワが産業用脚立の最大使用質量として設定している標準値:100 kg〜130 kg(出典:長谷川工業仕様書)

  • ローカル市場流通の粗悪な低価格脚立の平均アルミ肉厚:0.8 mm〜1.0 mm(出典:現地市場サンプル調査)

  • ハセガワのプロ用脚立に採用されている主要構造部のアルミ肉厚:1.2 mm〜1.5 mm(出典:ハセガワ製品データ)

引用元: MOLISA Labor Accident Report & Hasegawa Product Specifications

特長

ハセガワベトナムが提供するアルミ製脚立は、日本の長谷川工業が80年以上の歴史の中で培ってきた高度な「接合技術」をそのままベトナムの自社工場(ビンズン省)に導入し、生産されています。脚立の強度を左右する2大要素が、「アルミ溶接」と「高強度リベット(鋲締め)」です。

まず、アルミ溶接においては、高度な教育を受けた認定溶接工および精密な自動溶接ロボットを組み合わせています。アルミは鉄に比べて熱伝導率が極めて高く、溶接時の温度管理が非常に難しい金属です。ハセガワでは、溶接部に「美しい波状の模様(ウェルディングビード)」が均一に形成されるよう、電流と速度を厳密にコントロールしています。これにより、溶接の内部に気泡(ブローホール)が発生するのを防ぎ、金属組織が一体化して、100 kg以上の荷重が繰り返し加わってもビクともしない圧倒的な構造強度を実現しています。

次に、ステップと支柱を繋ぐリベット(鋲)の配置と「かしめ技術」です。ハセガワのプロ用脚立は、1箇所の接合部に対して最適な荷重分散が行われるよう、計算し尽くされた複数点留めの高強度リベットを採用しています。油圧シリンダーによる精密なトルク管理でかしめ(圧着)を行うため、長期間の使用や現場でのハードな移動による衝撃を受けても、リベットが緩んだり、周囲のアルミ穴が変形して「ガタつき」が発生したりすることがありません。

導入事例(Before → Action → After)

ベトナム・ドンナイ省の大型自動車部品製造工場(外資系企業)における実際の改善事例を紹介します。

  • Before(導入前の課題): この工場では、現地の代理店から購入した1台あたり450,000 VNDのローカル製アルミ脚立を約30台導入し、設備の日常メンテナンスやラインの点検に使用していました。しかし、導入からわずか6ヶ月で、大柄な作業員(体重約80 kg)が工具を持って昇降した際に、ステップを支えるリベット穴が広がり、全体に左右5 cm以上のグラつきが発生。作業員から「怖くて上に立てない」という不満が噴出し、実際にステップの一部が外れて作業員がバランスを崩すという「ヒヤリハット(Suýt ngã)」が月間3件以上発生していました。

  • Action(実施した対策): 工場の安全環境管理(EHS)責任者は、労働災害リスクを未然に防ぐため、すべての安価な脚立を廃棄することを決定。ハセガワベトナムの担当者に相談し、JIS規格に準拠した産業用高強度脚立(天板高さ1.2 m〜1.8 mのモデル)へ全面的にリプレイスを行いました。同時に、ハセガワの専門スタッフが工場を訪問し、現場の作業員20名に対して「脚立の正しい使用方法と安全点検講習」を実施しました。

  • After(導入後の効果): ハセガワの脚立を導入してから3年が経過した現在、工場での脚立起因によるヒヤリハットおよび労働災害の発生件数は「0件」を維持しています。過酷な3交代制のメンテナンス作業で毎日使用されているにもかかわらず、溶接部のクラック(ひび割れ)やリベットの緩みによるガタつきは一切発生していません。購買担当者は、「初期の購入費用はローカル製の約3倍でしたが、以前は半年に1回買い替えていたため、3年間のトータルコスト(TCO)で見ると、結果的にハセガワ製品の方が約40%も経費を削減できた」と、その経済性と安全性に極めて高い評価を下しています。

ハセガワの信頼性

品質管理・認証

ハセガワベトナムの製品が、一般的な格安脚立と一線を画す最大の理由は、その妥協のない品質管理体制にあります。当社の製品は、日本の産業標準化法に基づく「JIS S1121(脚立及びはしご型脚立)」の厳しい基準を満たすよう設計・製造されています。

工場内の試験室では、量産ロットからランダムに抽出された脚立に対し、以下のような過酷な品質テストを常時実施しています。

  1. 静荷重試験: 天板やステップに規定値の2倍〜3倍(約300 kg相当)の重力をかけ、変形や破損がないかを測定。

  2. 繰り返し耐久試験: 人が昇降する動きを模した荷重(100 kg)を、接合部に対して50,000回以上連続で加え、リベットの緩みや溶接の疲労破壊が起きないかを検証。

ベトナム国内の自社工場では、原材料であるアルミ合金(6000系高強度アルミ)の受け入れ検査から、最終出荷時の専門検査員による「全数目視・触感検品」まで、日本のマザー工場(兵庫県)と全く同じクオリティゲートを設けています。これにより、初期不良率を極限までゼロに近づけています。

特注対応・サポート体制

私たちは、単に既製品の脚立を販売するだけでなく、ベトナム現地の現場が抱える固有の課題に対するソリューションを提供しています。例えば、「既存の製造ラインの高さにぴったり合う、踏台付きの特殊な足場台が欲しい」「狭い通路でも干渉しない幅狭の安全脚立が必要」といったご要望に対し、ハセガワベトナムの日本人技術者と現地エンジニアが共同で設計し、自社工場で「特注品(Custom-made)」を迅速に製造・納品することが可能です。

さらに、納品後のアフターサポートとして、現場での安全巡回時に役立つ「脚立・はしご日常点検チェックシート(ベトナム語・日本語版)」を無償で提供しています。万が一、現場での使用中に強い衝撃が加わり、パーツの交換が必要になった場合でも、ベトナム国内に常時スペアパーツ(脚端具のゴム、開き止め金具など)の在庫を確保しているため、最短翌日には交換対応を行い、お客様の現場のダウンタイムを最小限に抑えます。

まとめ

ベトナムの製造・建設・物流現場における労働安全の確保は、企業の持続的な成長において最優先されるべき課題です。脚立を選ぶ際、目先の購入価格(イニシャルコスト)の安さだけで判断することは、従業員を重大な転落事故の危険に晒し、企業に巨額の法的・経済的リスクを背負わせる結果になりかねません。

安全で優れた脚立を見分ける鍵は、荷重を支える「溶接の均一さ」と「リベットのかしめ精度」にあります。ハセガワベトナムの製品は、日本の厳格なJIS規格に裏付けられた技術力で、これらすべての接合部において圧倒的な品質をお約束します。

現在、現場で使用している脚立に少しでも「ガタつき」や「不安」を感じている安全管理者の皆様、また器具の刷新をご検討中の購買担当者様は、ぜひ一度ハセガワベトナムまでお気軽にお問い合わせください。貴社の現場に合わせた最適な安全ソリューションをご提案いたします。製品カタログのダウンロードや、実際の強度を体感できるデモ機の貸出も随時承っております。