足場とは?初めての方にもわかる基本
聞き慣れない言葉かもしれませんので、まずは基本から説明します。足場とは、高所で安全に作業するための仮設の支持構造です。椅子や棚など、専用でない物に登る代わりに使用します。
足場は主に次の3つの部分で構成されています。
- 支持フレーム:足場全体を支える主要な部分です。
- 作業床:一番上にある平らな面で、作業者が実際に立って作業する場所です。
- 移動または固定のための脚部:キャスター(車輪)付きなら移動式、固定式なら据え置き型になります。
足場は、不安定な場所に直接登ることを避けるために使われます。理由はシンプルで、荷重を受け止め、滑落のリスクを減らすよう設計された安定した平面を作ることができるからです。
固定足場と移動式足場の違い
- 固定足場:組み立てた後は同じ場所に据え置かれます。別の場所で使うには、いったん解体して組み直す必要があります。
- 移動式足場:脚部にキャスターが付いており、完全に解体しなくても別の位置に押して移動できます。「移動式足場タワー」とも呼ばれます。
移動式足場は、同じエリア内で何度も位置を変える作業に向いています。例えば、長い工場の壁を塗装する場合や、天井に沿って伸びる配管・照明設備を点検する場合などです。
伸縮式足場とは?TSEが一般的な移動式足場と違う点
市場に出回っている移動式足場の多くは「枠組み足場」と呼ばれるタイプです。複数本の鋼管フレームを人の手で積み重ねて組み立て、筋交い(斜めの補強材)で固定します。このタイプは高さを自由に調整できます(高くしたい場合はフレームを追加)が、組み立て・解体のたびに時間がかかり、正しい手順で行う技術も必要です。
TSEは別のグループに属します。伸縮式足場(入れ子構造のタワー型)です。枠組みを1本ずつ組む代わりに、TSEはあらかじめ複数段のフレームがカメラのレンズのように入れ子状に重なっています。使用者は段を引き上げるだけで高さを高くでき、押し下げるだけで収納サイズに戻せます。部品を一つひとつ取り外す必要も、別々の筋交いを手作業で取り付ける必要もありません。
言い換えると、枠組み足場は手作業で1段ずつ「積み重ねる」のに対し、TSEのような伸縮式足場はあらかじめその段を1つのユニットに統合しており、引き上げる・押し下げるだけで済みます。
TSEの基本構造
多段伸縮フレーム
TSEの主要な本体部分で、複数段の鋼製フレームが入れ子状に重なっています。より高い位置で作業する必要がある場合は段を引き上げ、収納・運搬する際は段を押し下げて縮めます。
拡張脚部(アウトリガー)
足場を組み立てた際に脚部から広がる補助支柱です。拡張脚部の役割は、地面との接地面積を広げ、足場が倒れにくくすることです。足場が高くなるほど、脚部が狭いとバランスを崩しやすくなるため、特に重要な部分です。
樹脂ブッシュ内蔵の摺動部
摺動部(しゅうどうぶ)は、各段のフレームが伸縮する際に互いに滑り合う部分です。TSEはこの部分に樹脂ブッシュを内蔵しており、金属同士の摩擦を減らしています。分かりやすく言うと、樹脂ブッシュのおかげで段の上げ下げがスムーズになり、引っかかりや大きな音が出にくく、経年による摩耗も抑えられます。
挟み込み防止機構
段を上げ下げする際、設計が適切でないと、動いているフレームの隙間に指が挟まれる恐れがあります。TSEには挟み込み防止機構が備わっており、このリスクを低減しています。小さな部分ですが、日々の操作における実務的な安全性に直結する設計です。
滑り止め加工の踏み段
作業床へ上がるための踏み段には滑り止め加工が施されており、工具を手に持っている場合や、粉塵・湿気のある環境でも足元をしっかり踏みしめられます。
作業床サイズ150×59cm
一番上の作業床は、作業者が実際に立って作業する平面です。150×59cmのサイズがあり、1人が行き来したり、小さな工具を置いたりするのに十分な広さです。
TSE全3型式の仕様表
| 型式 | 使用高さ H(m) | 脚部サイズ W1×D1(cm) | 全高 H1(cm) | 収納時サイズ W2×D2×H2(cm) | 重量(kg) |
|---|---|---|---|---|---|
| TSE-2900S | 1.19 ~ 2.90 | 160×170 | 213 ~ 380 | 99×196×119 | 212.0 |
| TSE-3600S | 1.34 ~ 3.60 | 160×170 | 225 ~ 452 | 89×199×134 | 240.0 |
| TSE-4300S | 1.50 ~ 4.30 | 160×170 | 241 ~ 526 | 89×199×150 | 260.0 |
(注:「使用高さ」は作業床の調整可能な高さ範囲、「収納時サイズ」は収納・運搬のために縮めた際のサイズです。)
3型式とも最大耐荷重は135kgで共通、作業床サイズも150×59cmで共通です。主な違いは調整可能な高さ範囲です。
収納サイズが重要な理由
従来の枠組み足場では、解体後にバラバラのフレームを個別に並べる必要があり、倉庫の面積を多く占有したり、部品(筋交い、ロックピン、キャスターなど)を紛失しないよう丁寧に梱包する必要がありました。
TSEでは、伸縮フレーム全体が一つの塊にまとまります(例:TSE-2900Sは収納時99×196×119cmまで縮小)。これには2つの実務的なメリットがあります。
- 解体不要のため、細かい部品を紛失する心配がありません。
- キャスター付きの一体型として移動できるため、収納・運搬が容易です。
仮設工業会認定とは?
これは日本の団体の名称で、日本語では「仮設工業会」といいます。建設・工業分野で使われる仮設(一時的)機材について、技術基準を策定し、認定を行う専門機関です。足場、作業床、仮設階段などが対象に含まれます。
日本の認定制度に馴染みのない方向けに簡単に説明すると、これは業界の技術基準に適合していることを示す「認定証」のようなものです。世界の他の基準団体(例:米国のANSI、欧州のEN)と似た位置づけですが、日本国内の仮設機材専用の認定です。TSEがこの認定を取得しているということは、製造者独自の発表だけでなく、業界の具体的な技術基準に基づいて評価されていることを意味します。
TSEがある状況でより安全といえる理由
ベトナム労働・傷病兵・社会省が発行した通知第1136号(Thông báo số 1136/TB-BLĐTBXH)によると、高所からの転落・落下は労働災害全体の中でも高い割合を占めています(2023〜2024年時点の情報)。使用者側に起因する原因の多くは、高所作業用機材の安全性不足や、組み立て方法の誤りに関連していると指摘されています。
手作業で組み立てる枠組み足場では、リスクの一部が組み立てミスに起因します。例えば、筋交いの取り付け漏れ、脚部の水平不良、ロックピンの締め忘れなどです。TSEのような一体型の伸縮式足場は、フレーム・摺動部・脚部といった主要な荷重部材があらかじめメーカーによって組み立て・検査済みのため、現場での手作業による組み立てミスに起因するリスクを抑えることができます。
※本記事の内容は概要的な参考情報であり、各現場での実際の労働安全評価や専門家への相談に代わるものではありません。
TSEはどんな作業に向いているか
- 天井の高い工場の壁や天井の塗装作業:同じエリア内で何度も位置を変える必要がある場合。
- 天井付近の照明・配管・電気設備の保守点検:特に天井高が2mを超える場所。
- 看板や換気設備の設置・保守:中〜高所(TSE-4300Sなら最大4.3mまで対応)。
- 同じ作業時間内で頻繁に高さを変える必要がある作業:枠組み足場では高さを変えるたびに組み直しの時間がかかります。
よくある質問
1. 伸縮式足場と枠組み足場はどう違いますか。
枠組み足場は個別のフレームを手作業で組み立てる必要があります。TSEのような伸縮式足場は、あらかじめ入れ子状に重なったフレームを引き上げる・押し下げるだけで高さを変えられます。
2. TSEの耐荷重はどのくらいですか。
最大135kgです。TSE-2900S、TSE-3600S、TSE-4300Sの全型式共通です。
3. TSEの材質は何ですか。
鋼製です。ハセガワの一部の作業台がアルミ製であるのとは異なります。
4. 仮設工業会認定はベトナムでの販売に必須ですか。
いいえ。これは日本の団体による認定であり、ベトナムの法律上の必須要件ではありません。製品が本国(日本)の業界基準で評価済みであることを示す付加情報です。
本記事は、ハセガワベトナムの公式技術資料に基づいて作成しています。法令に関する内容は、行政機関が公開している文書を参考にしています。個別のケースに適用される際は、原文をご確認のうえ、専門家へのご相談をお願いいたします。