はじめに
塗装やクロス張り(壁紙施工)、電気配線など、天井付近での作業が多い内装業のプロフェッショナルにとって、「足の疲れ」は職業病とも言える深刻な悩みです。上を向きながら、わずか数センチの桟(さん)の上でバランスを取り続ける作業は、ふくらはぎや腰に想像以上の負担をかけます。
ベトナムの建設・製造現場では、効率性と安全性の両立がこれまで以上に求められています。しかし、多くの現場では依然として、価格のみを重視したステップ幅の狭い脚立が使用されており、これが作業員の疲労蓄積や、最悪の場合は転落事故につながる「見えないリスク」となっています。
本記事では、日本品質の安全基準をベトナム・ダナンから世界へ発信する「Hasegawa Vietnam(長谷川ベトナム)」の技術的視点から、なぜ「幅広ステップ(60mm以上)」が内装・塗装業の生産性を劇的に変えるのか、その人間工学的理由と現場でのメリットを解説します。
現場の課題:細いステップが招く「見えないリスク」
ベトナム建設現場における労働安全の現実
ベトナムの建設現場において、高所作業中の転落事故は依然として労働災害の主要な原因の一つです。ベトナム建設基準(TCVN 5308:1991)などの安全規定では、作業者の健康と安全を確保するための厳格な管理が求められていますが、実際の小規模な内装現場やリフォーム現場では、不安定な足場による事故リスクが常につきまといます。
特に天井作業では、視線が上に向くため平衡感覚を保つのが難しくなります。この状態で足元の支持面(ステップ)が狭いと、身体は無意識にバランスを取ろうとして余計な筋肉を使い、短時間で極度の疲労状態に陥ります。
長時間作業による身体的疲労のメカニズム
一般的な脚立のステップ幅は40mm〜50mm程度が主流です。この狭い面積に全体重がかかると、足裏の特定箇所(土踏まずや母指球)に圧力が集中します。人間工学の観点から見ると、立位作業における足裏の接地面積が狭いほど、血流が阻害されやすく、疲労感が増大することが知られています。
塗装職人や内装工にとって、この「足元のブレ」は致命的です。身体が安定しないと、ハケやローラーの動きが微妙にブレてしまい、塗装ムラやクロスの継ぎ目のズレといった品質低下を招く原因にもなります。つまり、脚立選びは「安全対策」であると同時に、「品質管理」そのものなのです。
解決策:Hasegawaの「幅広ステップ」技術
60mmが生む圧倒的な安定感
Hasegawa Vietnamが製造する主力製品群(例:『脚軽 – Ashigaru』シリーズなど)は、利用者の疲労軽減を第一に考え、ステップ幅を60mm(一部モデルはそれ以上)に設計しています。
たった20mm程度の違いと思われるかもしれませんが、この差が作業者の体感を劇的に変えます。
- 圧力の分散: 接地面積が広がることで、足裏にかかる単位面積あたりの圧力が大幅に低減します。
- かかとの安定: 60mmの幅があれば、靴のソールがしっかりとステップに乗り、つま先立ちのような不安定な状態から解放されます。
「乗ればわかる、頼もしさ(Noriba wakaru, tanomoshisa)」というHasegawaのブランドメッセージは、単なる宣伝文句ではありません。これは、実際の職人が製品に乗った瞬間に感じる「揺れのなさ」や「足裏への食いつき」といった感覚的な品質を、設計段階から徹底的に追求した結果です。
導入事例:「もう細い脚立には戻れない」
ダナン市内のホテル改修工事(内装・塗装)を請け負う現地施工会社の事例を紹介します。
Before:
以前は、市場で購入した安価な一般用アルミ脚立(ステップ幅約40mm)を使用していました。天井のペンキ塗り作業では、作業員が15分おきに脚立から降りて足を休める必要があり、夕方には「ふくらはぎが痛くて震える」という声が上がっていました。
Action:
Hasegawa Vietnamのダナン工場で製造された、幅広ステップ仕様の脚立(日本・米国輸出同等品)を試験的に導入しました。
After:
作業員からは「地面に立っているような安定感がある」と驚きの声が上がりました。足元の不安が消えたことで、天井の細部塗装に集中できるようになり、休憩頻度が適正化されました。結果として、1部屋あたりの施工時間が約15%短縮され、仕上がりの品質も安定しました。
世界基準の品質をベトナム・ダナンから
「10万回の昇降」に耐える品質基準
Hasegawa Vietnamの製品は、単に「幅が広い」だけではありません。その強度は、過酷なプロの現場を想定して設計されています。
ダナン工場を含む長谷川グループでは、JIS(日本産業規格)やSG(製品安全協会)の基準をクリアするだけでなく、さらに厳しい自社基準を設けています。例えば『タフシリーズ』の開発においては、週5日、1日100回の昇降を3年間続けることを想定し、10万回を超える耐久試験を実施しています。
これは、一度購入すれば長期間にわたって安全に使用できることを意味し、頻繁に買い替える必要がないため、長期的にはコスト削減にも貢献します。
職人の感性に響く「揺れない」設計
Hasegawa Vietnamの真骨頂は、データには表れない「感性品質」の追求にあります。
設計者自身が実際に脚立に乗り、データだけでは捉えきれない「揺れ」「たわみ」「きしみ音」を検証する「官能評価」を行っています。
内装仕上げのような繊細な作業では、脚立がわずかに「ガタッ」と揺れるだけで手元が狂います。Hasegawaの脚立は、ベトナムのダナン工場(2013年設立)で、日本の職人気質を受け継いだ熟練のベトナム人スタッフによって製造されており、その品質は日本やアメリカのプロフェッショナルたちからも高く評価されています。
まとめ
内装・塗装業において、脚立は単なる「昇降器具」ではなく、職人のパフォーマンスを左右する重要な「パートナー」です。わずか20mm広い60mmの幅広ステップを選択することは、作業中の疲労を軽減し、転落事故のリスクを下げ、施工品質を向上させるための最も確実な投資と言えます。
長谷川工業株式会社(創業1956年)の約70年にわたるノウハウが詰まったHasegawa Vietnamの製品は、ベトナムの現場に「日本の安全性」と「快適さ」を提供します。ぜひ一度、その「乗ればわかる」違いを体感してください。