はじめに
ベトナムの雨季(Rainy Season)は、建設・製造現場にとって1年で最も過酷な時期です。南部では5月から11月にかけて、年間降水量の大部分にあたる1,500mm〜2,000mm以上の雨が降り注ぎます。スコールのような激しい雨が去った直後の現場は、湿ったコンクリート、ぬかるんだ土壌、そして濡れた機材によって、足元のリスクが劇的に高まります。
「少し濡れているだけだから大丈夫」という過信は、取り返しのつかない労働災害を招きます。実際、労働災害の多くは、こうした環境変化への対策不足から発生しています。本記事では、Hasegawa Vietnamが持つ安全の知見に基づき、雨季特有のリスクを定量的なデータで可視化し、現場管理者が今すぐ導入できる具体的な対策と、日本品質の機材選びのポイントを解説します。
雨季の現場に潜む「見えない」リスク
労働災害データが示す現実
ベトナムにおける労働災害の現状は深刻です。労働傷病兵社会省(MoLISA)のデータによると、2024年には全国で8,286件の労働災害が発生し、727名もの尊い命が失われました。このうち、建設業は鉱業と並んで死亡事故が最も多い「高リスク産業」に分類されており、その主要因の一つが「高所からの転落」です。
雨季の現場では、物理的な「滑りやすさ」がこのリスクを増幅させます。乾燥したコンクリート上でのゴムの摩擦係数が約0.6〜0.85であるのに対し、濡れた状態では0.45〜0.75まで低下するというデータがあります。つまり、雨上がりのはしご作業は、通常時よりも約20〜30%低いグリップ力の中で行われていることになります。
3つの致命的リスク要因
雨季の屋外作業には、主に3つのリスクが潜んでいます。
- スリップ(滑り): 梯子の足元(端具)と地面の接点、および作業者の靴底とステップ(踏ざん)の接点で摩擦力が低下し、昇降中に梯子ごと転倒する事故が多発します。
- 地盤の緩み: 未舗装の現場では、雨水を含んだ土壌が軟化します。脚立の一方の脚だけが沈下することでバランスを崩し、転倒に至るケースです。
- 腐食(錆): 湿度80%を超えるベトナムの環境下では、安価な鉄製脚立は急速に錆びます。腐食は見えない部分で進行し、ある日突然、荷重に耐えきれず破断する恐れがあります。
なぜ「ハセガワ」は雨上がりの現場で選ばれるのか
独自の滑り止め技術と素材
Hasegawa Vietnamが製造するアルミ製はしご・脚立は、日本のJIS規格(JIS S 1121)や国際基準に準拠し、厳しい滑り止め基準(摩擦係数0.4以上)をクリアしています。
- 耐食性の高いアルミ合金: 鉄の約1/3の重量でありながら、表面にアルマイト加工を施すことで、高温多湿なベトナムの雨季でも錆に強く、長期間強度を維持します。
- 専用端具(足ゴム): ハセガワの脚立には、濡れた地面でも接地面積を確保し、水を逃がす溝設計が施された高品質な「滑り止め端具」が採用されています。
- ステップ加工: 踏ざん(ステップ)には波型の凹凸加工が施されており、作業靴が濡れていても確実なグリップ力を発揮します。
導入事例:ダナンの建設現場(Before → Action → After)
Hasegawa Vietnamの工場があるダナン市近郊の建設プロジェクトでの事例を紹介します。
- Before: 従来は現地の市場で購入した安価な鉄製脚立を使用していました。しかし、雨季に入ると錆による蝶番(ヒンジ)の固着が発生し、無理に開閉したことで破損。さらに、濡れたタイル床での内装作業中に脚立が滑るヒヤリハットが多発していました。
- Action: 安全管理者がリスクを重く見、Hasegawa Vietnam製の「JIS規格適合アルミ脚立」を一括導入しました。特に滑り止め端具の性能と、10万回の開閉試験に裏打ちされた耐久性を評価しました。
- After: 導入後の雨季シーズンにおいて、脚立に起因する転倒事故はゼロになりました。作業員からは「濡れた足場でもガタつかず、安心して乗れる(乗ればわかる、頼もしさ)」という声が上がり、作業効率も約15%向上しました。
安全性を最大化する運用ルール(長谷川工業推奨)
優れた道具も、正しい使い方が伴わなければ機能しません。雨季には以下のルールを徹底してください。
正しい設置と点検(75度ルールと3点支持)
- 75度の設置角度: はしごを使用する際は、壁に対して約75度の角度で設置してください。これは滑り出しを防ぎ、最も荷重に強い角度です(4対1の法則:高さ4に対し底辺1の割合)。
- 3点支持の徹底: 昇降時は必ず「両手・片足」または「片手・両足」の3点で体を支え、濡れた手袋や靴でのスリップを防ぎます。
- 足元の養生: ぬかるんだ地面で使用する場合は、広めの板を敷いてアウトリガー的に接地面積を広げ、沈下を防止してください。
メンテナンスと保管
- 泥汚れの洗浄: 可動部やステップの溝に詰まった泥は、滑りの原因になります。使用後は水洗いし、特に可動部(リベットやヒンジ)には定期的に注油を行ってください。アルミは錆びにくいですが、異物の噛み込みは故障の原因となります。
- 点検: 端具(ゴム足)が摩耗していないか、変形していないかを始業前に必ずチェックします。摩耗したゴムは、濡れた路面では氷の上のように滑ります。
まとめ
雨季のベトナムにおいて、はしご・脚立の安全性は「運」ではなく「準備」で決まります。統計データが示す通り、高所からの転落は建設現場における最大の脅威ですが、適切な機材と運用で防ぐことが可能です。
Hasegawa Vietnamは、ベトナム・ダナンの地で、日本の安全基準(JIS)と品質管理プロセスを遵守した製品を製造しています。錆に強く、滑りにくいハセガワの製品は、雨の多いこの国で働くプロフェッショナルの命を守るための投資です。
次の雨が降る前に、現場の足元を見直してみませんか? 安全な作業環境の構築や、現場に合わせた特注製品のご相談は、以下の窓口までお気軽にお問い合わせください。