はじめに
ベトナムの製造・建設・物流など、多様な現場で日々使われているはしごや脚立。しかし、その身近さゆえに、ちょっとした油断や誤った使い方から思わぬ事故が起きています。本稿では、現場で頻発するヒヤリ・ハット事例を切り口に、なぜそうした事故が起きるのか、その背景や傾向を解説します。さらに、厚労省や労働安全衛生総合研究所の統計データをもとに、発生件数や主な負傷部位などを示しつつ、具体的な防止策を提示します。目的は、読者が自身の現場で即実践できる安全管理のヒントを得ることです。
出典: ハセガワ Members Club
課題と背景
市場データ
労働安全衛生総合研究所の分析によれば、脚立起因の労働災害は年間約千件に上り、その約八割以上が墜落・転落によるものです。特に骨折は全体の約三分の二を占め、下肢や上肢の負傷が半数を超える割合で発生しています。また、「はしご等」からの墜落による死亡者数は、過去数年間で毎年おおむね三十人前後という高水準で推移。業務用と家庭用では使用条件や耐久性に差があり、業務環境に家庭用を流用した場合、経年劣化や構造強度不足によるリスクが高まります。
出典: 労働安全衛生総合研究所
リスク提示
現場で起きやすい墜落・転落事故の典型例として、天板またぎや天板上での作業、濡れた踏面や滑り止め劣化による足元の滑り、荷物を持ったままの昇降などが挙げられます。特に低い脚立は油断から安全確認を怠りやすく、骨折などの重傷につながることも少なくありません。さらに、適切な保管や点検を行わないことで、踏ざんの破損や部材の緩みといった経年劣化が進行し、不具合発生のリスクが高まります。
出典: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト
製品・サービス紹介
特長
ハセガワ製品は、安全性と耐久性を両立させる設計思想を基盤としています。天板は足元の安定感を高める形状と幅を確保し、踏面には滑り止め加工を施すことで、濡れた環境や粉塵が多い現場でも足を滑らせにくい構造です。さらに、軽量かつ高耐久な素材を採用することで、持ち運びや設置の負担を軽減しながら長寿命を実現しています。また、家庭用と業務用では耐荷重や材質に明確な差を設け、用途に応じた最適なモデルを提供。手すり付き脚立、可搬式作業台、安全ブロックなどの安全付属品も豊富に揃え、現場の作業環境やリスクに合わせたカスタマイズが可能です。
出典: ハセガワ工業株式会社 製品情報
導入事例(Before → Action → After)
製造現場では、従来行っていた天板またぎ作業を廃止し、安全作業台へと切り替えることで転落リスクを大幅に低減しました。物流倉庫では、経年劣化したアルミ脚立から業務用FRP脚立に更新し、耐久性と安定性を強化。建設現場では、低い脚立の使用時にもヘルメットと安全帯の着用を義務化し、軽度の墜落でも重大な頭部外傷を防ぐ体制を整えています。これらの事例はいずれも、現場の作業効率を維持しつつ安全性を向上させた成功例です。
ハセガワの信頼性
品質管理・認証
ハセガワは、ISO認証やTCVN/JIS規格といった国際・国内基準に準拠した製品づくりを徹底しています。すべての製品は出荷前に耐荷重試験や寸法精度検査などの厳格な品質チェックを経て市場へ送り出されます。また、現場からのフィードバックを取り入れた継続的な製品改善にも力を注ぎ、ユーザーの安全性と作業効率を同時に向上させる取り組みを続けています。
出典: ハセガワ工業株式会社 会社情報
特注対応・サポート体制
多様な作業環境や用途に合わせ、脚立や作業台の特注設計にも柔軟に対応しています。例えば、高所作業専用の安全柵付き脚立や、狭所作業用のスリム設計など、現場の課題を解決するためのカスタマイズ事例が豊富です。さらに、安全講習会や現場での製品診断を通じて、安全使用の啓蒙活動を継続。会員向けには、作業マニュアルや動画コンテンツを提供し、正しい使用方法と点検方法をいつでも学べる環境を整えています。
データボックス
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 脚立起因災害数 | 992件(うち86%墜落・転落) | 労働安全衛生総合研究所 |
| 骨折割合 | 約66% | 労働安全衛生総合研究所 |
| 年間死亡者数(はしご等) | 約30人 | 労働者死傷病報告(厚生労働省) |
| 下肢+上肢負傷割合 | 50%超 | 労働安全衛生総合研究所 |
| ヘルメット非着用率(頭部負傷死亡災害) | 約84% | 災害調査復命書(厚生労働省) |
まとめ
はしご・脚立に関する事故は、その多くが適切な製品選定と正しい使用方法で予防可能です。今回取り上げた統計や事例からも分かるように、油断や誤使用が重大災害の引き金となります。現場ごとの特性や作業内容に応じた安全対策を導入し、製品の定期点検や部材の交換を習慣化することが、命を守る第一歩です。さらに、ハセガワが提供する安全講習や動画、点検チェックリストなどを活用することで、現場全体の安全意識を底上げできます。安全は日々の積み重ねから生まれるものです。
出典: ハセガワ Members Club