「プロフェッショナル vs ノンプロ」の違いと選び方──150kg総荷重・安定試験の要点

はじめに(対象読者・課題・要点)

建設・製造・物流・設備保守など多様な現場で不可欠な昇降用具。その安全要求事項を規定する国際規格がEN131です。2017年の改訂以降、用途別にプロフェッショナル(業務用)ノンプロフェッショナル(家庭用)に区分され、最大総荷重は前者150kg、後者125kgと明確に差が設けられています。安定試験や踏ざん強度もプロ仕様はより厳格で、頻繁な使用や重量物作業に適しています。一方、規格選定を誤ると荷重超過や転倒事故の危険が高まります。本記事では、EN131の仕様差と国内基準の比較、150kg総荷重・安定試験の要点を整理し、現場での適切な選び方を解説します。

課題と背景

市場データ

世界の脚立・はしご市場は堅調に成長を続けており、特に東南アジア地域では建設需要や物流拠点の増加に伴い需要が拡大しています。ベトナムでも近年は市場が拡大し、安全規格への関心が高まっています。国際市場調査によれば、ベトナムのはしご市場は2020〜2024年にかけて年平均約5%成長しています(参考:Statista)。一方、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)の統計では、高所からの墜落は労災死亡事故の主要因の一つで、脚立・はしご使用中の事故も一定割合を占めています。規格別普及率では、EN131準拠品は都市部で増加傾向にあるものの、地方や中小現場ではJISや消防庁告示ベース製品、さらには無規格品も流通しています。

リスク提示

現場でよく見られる事故原因の一つが、荷重超過による踏ざん破損や構造変形による転倒です。特にノンプロ仕様を重量物作業に用いた場合、設計荷重を超過し破損に至る事例があります。また、安定試験基準を満たさない製品では、傾斜や横揺れに弱く、作業者がバランスを崩す危険が高まります。公共工事や法令遵守が求められる現場で規格外品や不適合品を使うと、契約違反や安全管理義務違反に問われるリスクもあります。安全とコンプライアンスを両立するため、適切な規格選定が不可欠です。

製品・サービス紹介

特長

EN131プロフェッショナル仕様は最大総荷重150kgで、作業者の体重に加え工具・資材を含めても高い安全性を確保します。安定試験条件も厳格で、横揺れや滑りへの耐性が高く、踏ざんの等分布荷重やねじれ剛性も高水準です。ノンプロ仕様は最大総荷重125kgで軽作業や短時間使用向けですが、頻繁な重量物作業には不向きです。国内基準では消防庁告示の避難はしごが長さ10mで最大13.0kN(参考:消防庁告示基準)、港湾施設基準では1mあたり1kNの耐荷重が定められるなど、用途別に異なる強度基準があります。※本稿の比較は主にEN131に基づきますが、日本国内では用途により適用規格が異なります。

導入事例(Before → Action → After)

Before:物流倉庫でノンプロ仕様の脚立を重量物搬送作業に使用し、踏ざんの変形と破損が発生。作業が一時中断し、復旧に時間とコストがかかりました。 Action:EN131プロ仕様に切り替え、さらにハセガワ独自の耐荷重強化設計を採用。現場担当者への安全使用講習も実施。 After:作業効率が約15%向上し、以降事故ゼロを継続。他拠点への導入も進行中です。

ハセガワの信頼性

品質管理・認証

ハセガワはISO9001およびISO14001を取得し、品質管理と環境配慮を両立しています。EN131認証製品は製造から検査まで厳格な基準を適用し、出荷前には全数または抜き取りによる荷重試験と安定試験を行い、規格適合を確認しています(参考:EN131規格概要 – European Committee for Standardization)。

特注対応・サポート体制

FRPはしごや特注脚立など、現場条件や作業内容に応じたオーダーメイド製品にも対応。ベトナム国内は自社配送ネットワークで迅速に納品し、現場での設置指導や安全講習も行います。

まとめ(要点/CTA/関連リンク)

EN131プロフェッショナル仕様は、高頻度使用や重量物作業、公共工事など安全基準遵守が必須の現場に最適です。ノンプロ仕様は軽作業や家庭用に向いており、用途に応じた使い分けが重要です。選定時には法規適合と現場ニーズの両立を意識し、規格値や試験条件を必ず確認してください。詳細な製品仕様やカタログは、弊社公式サイトまたは営業担当までお問い合わせください。

Data Box

指標 プロ仕様 ノンプロ仕様 国内消防庁基準 港湾施設基準
最大総荷重 150kg 125kg 最大13.0kN(10m) 1kN/m
踏ざん等分布荷重 約2.7kN 約2.2kN 金属製2kN 設計1kN/m
安定試験の厳しさ 高い 転倒防止必須
想定使用頻度 高頻度 低〜中
主な用途 建設・製造・物流 家庭・軽作業 避難器具 港湾設備

参考:EN131規格解説(欧州規格協会)