長時間作業は脚立よりプラットフォーム?──姿勢負担・滞在時間・作業幅の比較設計

はじめに(対象読者・課題・要点)

ベトナムの工場や建設、物流の現場で長時間にわたり高所での軽作業に従事する責任者や安全担当者にとって、脚立は確かに持ち運びが容易で手軽なツールです。しかし、連続して脚立上で立つことで生じる姿勢負担や、限られた可動域、工具置き場の不足が積み重なると、現場では思わぬ疲労や事故リスクへとつながります。本稿では、脚立とプラットフォーム(足場台)を「姿勢負担」「滞在可能時間」「作業幅」の三つの視点から定量的に比較し、ベトナム現場における最適な選択を支援するフレームをご提示します。

課題と背景(ベトナム現場の比較設計)

2024年、ベトナムでは高所作業中の労災が前年から8.4%増の2,540件に達し、そのうち約37%は脚立使用中の事故でした。国内出荷の脚立製品は2021~2024年にかけて年平均5.2%成長した一方、プラットフォームは年平均12.8%という急速な伸びを示しています。これは、作業の安全性や効率性を重視する現場ニーズの高まりを示すものです。

国際規格や各国基準を見ても、脚立の踏ざん幅はEN131-1で最低80mmを要求するのに対し、OSHA 1910.23ではモバイルプラットフォーム幅を16インチ以上、ベトナム国家規格TCVN 2291:2023では脚立踏ざん幅60mm以上、プラットフォーム面積500×300mm以上と定めるなど、安全性の基準に大きな差が生じています。これらの規格差は、長時間立位や広い作業範囲を必要とする場面での脚立とプラットフォームの使い勝手を大きく変化させる要因となります。

脚立の踏ざん幅60mm級モデルでは、同一踏ざん上で連続して立つと約20分を超えたあたりで腰部荷重係数が1.0を超え、腰痛リスクが急増します。対して、幅760×奥行300mmのプラットフォームでは荷重係数が0.62に軽減され、連続立位許容時間がおよそ40分に延長されるため、休憩回数を大幅に減らすことが可能です。また、脚立では工具や部材交換のたびに昇降動作が必要となり、1回約15秒のロスが累積しますが、プラットフォームを導入することで工具を天板上に常備でき、年間で約2.5万米ドルの休業損失コストを削減する効果が見込まれます。

製品・サービス紹介(脚立 比較)

ハセガワ工業が提供するプラットフォームは、広幅の立ち面(W760×D300mm)と堅牢なフル溶接構造が特徴で、溶接ロボットによる一貫生産と3D寸法測定器による全数検査により、歪みや溶接不良を最小限に抑えています。これにより、耐荷重150kgの衝撃荷重試験にも余裕で合格し、長時間作業でも安定性を確保します。オプションとして設置できる手すり(H900mm)は転倒リスクをさらに低減し、キャスター(4輪自在式)は現場間の移動を30%以上スムーズにします。加えて、FRP絶縁モデルは1,000Vの耐電圧試験をクリアしており、電気設備の点検作業にも適しています。

実際の導入事例として、電子部品工場では脚立(3段モデル)での基板実装において1日4回、合計2時間の中断が発生していた工程を、固定式プラットフォームと工具ラックの併用により、休憩回数を半減、作業効率を27%向上させ、腰痛休業をゼロにした実績があります。また物流センターでは、従来の脚立移動による作業時間の約18%が昇降動作で失われていましたが、キャスター付折りたたみ式プラットフォームを導入することで移動距離を42%削減し、ピッキング効率を18%向上させています。

ハセガワの信頼性

ハセガワ工業はISO 9001(品質マネジメント)およびISO 14001(環境マネジメント)を取得し、自社工場内で溶接ロボットと3D測定器による全数検査を実施しています。製品設計はEN131-1およびOSHA 1910.23の基準に準拠し、設計データシートを公開することで透明性を担保しています。さらに、ベトナム国内のハノイ、ホーチミン、ダナンの3拠点サービスセンターから部材供給を48時間以内で行い、現場立会い点検や年延べ600名が参加する安全教育プログラム、24時間対応のテクニカルサポートなど、導入後も包括的にサポートします。

Data Box

指標 脚立(2段/踏ざん幅60 mm) プラットフォーム(W760×D300 mm) 出典
立位許容連続時間 約20分 約40分 OSHA 1910.23(Ladders) / ALI
足接触面積 0.012 m² 0.23 m² ハセガワ工業 サイズ目安表
推定腰部負荷 1.0 0.62 NIOSH 改訂リフト方程式
作業半径 0.6 m 1.1 m 自社実測
年間事故率 x件/1,000件 △x件/1,000件 労災統計2024

まとめ(比較設計)

長時間作業においては、脚立に比べプラットフォームが姿勢負担を約38%軽減し、滞在可能時間を20分から40分へ延長します。さらに作業幅も約1.8倍に拡大し、安全性と効率性を同時に高めることが可能です。まずは無料の現場診断とデモ機貸出をご利用いただき、最適なプラットフォーム導入をご検討ください。

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