安全マークと規格表示の読み方：選定時に確認すべきポイント

はしごや脚立は高所作業に欠かせない道具ですが、その安全性は製品に付されたマークや規格表示によって大きく左右されます。本記事では、SGマークやJISマーク、Aマークなど主要な安全マークの意味と役割、規格表示の正しい読み取り方を解説します。製造業・建設業・物流業の現場責任者や購買担当者、安全衛生管理者が、不適切な製品選定による事故や法令違反を防ぐための要点をわかりやすくまとめます。

SGマーク: 製品安全協会が定める基準に適合した製品に付与され、脚立やはしごではCPSA0015やCPSA0037といった規格が代表例です。

JISマーク: 日本産業規格に基づき、国が登録した第三者認証機関による審査を経て付されます。

Aマーク: 軽金属製品協会の基準適合を示し、軽量かつ高強度な製品に多く見られます。

仮設工業会認定マーク: 仮設機材の安全基準を満たすことを証明するものです。

電気工事用マークはFRPなどの絶縁素材を用いた製品に表示され、感電リスクを低減します。特別教育必要マークは労働安全衛生法に基づき、使用前に所定の講習を受ける必要がある製品を示します。使用環境別マークは室内専用や林業用、建設現場用など、製品の適用環境を一目で判断できる重要な指標です。

出典: 製品安全協会（CPSA） SGマーク制度

耐荷重は安全性評価の核心です。JIS規格では100kgまたは130kgが一般的で、用途や作業者の装備重量に応じて選定します。「最大使用質量」は使用者と携行品を含む合計重量の上限を示し、耐荷重とは区別して確認する必要があります。

脚立やはしごには長さや立てかけ角度（例：推奨75°）が明記されます。角度を守らないと転倒や滑落の危険が高まります。また、ワンタッチ開き止め金具や水平中折れ構造などの表示は、組立・収納のしやすさや安全性向上を示す重要な情報です。

労働安全衛生法に基づき、特定の作業には資格保有者や特別教育修了者の関与が必要です。表示にはこれらの条件や、移動式足場など対象機材における特定自主検査の要否が明記されます。これらを確認することで法令遵守と安全確保が可能になります。

出典: 日本産業標準調査会（JISC）JISマーク表示制度

使用環境に適合したマークがあるかを必ず確認しましょう。屋外高所作業では耐候性や防錆性能、電気工事では絶縁仕様などが求められます。マーク発行元の信頼性を調べ、過去の認証取消事例や事故情報も参考にします。

マーク取得製品は非取得品より高額になりがちですが、安全性や耐久性向上による長期的なコスト削減効果を考慮します。また、海外規格（CE、ANSI等）との比較検討を行い、用途・納期・メンテナンス性を含め総合的に判断します。

ある製造工場では、マークや規格表示が不明確な脚立を使用した結果、構造破損による転落事故が発生しました（Before）。この反省からSGマーク付き製品への全面切替を実施し、全社員にマークの読み方や使用法の社内講習を行いました（Action）。その後5年間、重大事故はゼロを維持し、安全評価の向上により保険料の減額も実現しました（After）。

本記事では、はしごや脚立の安全マークと規格表示の意味、確認方法を解説しました。SGマークやJISマークは製品の安全性と法令遵守を裏付ける重要な証です。選定時にこれらを確認する習慣は事故防止やコスト削減につながります。詳細な基準や最新情報は以下からご確認ください。