その靴で大丈夫?はしご作業の転落を防ぐ「安全靴・作業靴」選びの決定版

はじめに

ベトナムの製造業や建設現場において、はしごや脚立は欠かせない道具です。しかし、現場の安全管理において「はしご自体の点検」には目が向けられる一方、それを登る作業者の「足元」、つまり安全靴の選定がおろそかになっているケースが散見されます。ベトナム労働傷病兵社会問題省(MOLISA)の報告によると、転落・落下の原因の多くは、不適切な履物による「滑り」や「踏み外し」に起因しています。本記事では、ハセガワベトナムの視点から、はしご作業に特化した安全靴の選び方と、労働災害を劇的に減らすための具体的基準を、膨大な統計データと共にご紹介します。

労働災害の現状と背景

市場データ:ベトナムの転落事故実態

ベトナムの急速な工業化に伴い、高所作業における安全確保は急務となっています。2023年の統計データによれば、ベトナム国内での労働災害による死傷者数は約7,500件に達し、そのうち建設・製造分野が約60%を占めています。特に注目すべきは、死亡事故の約35.5%が「高所からの転落」であるという事実です。

主要データ:ベトナムにおける高所作業と安全靴の統計

  • ベトナム労働災害死亡原因第1位:高所からの転落(35.5%)
  • はしご作業中の事故原因:滑り・足の踏み外しが全体の約42%
  • TCVN 7652(ISO 20345相当)取得率:大規模工場では90%以上、中小現場では40%未満
  • 安全靴の耐用年数超過使用率:現場作業者の約25%が1年半以上同じ靴を使用
  • 靴底の摩耗による摩擦係数低下率:新品比で最大60%減少(油分付着時)

リスク提示:なぜ「いつもの靴」ではいけないのか

多くの現場で見受けられるのが、キャンバス地のスニーカーや、場合によってはサンダルでの昇降作業です。はしごの「踏ざん(ステップ)」は、接地面積がわずか30mmから60mm程度しかありません。一般的な靴では、この狭い範囲に荷重が集中した際、靴底が変形してしまい、足裏のアーチが崩れて疲労を招くだけでなく、急激な「滑り」を引き起こします。特にベトナムの雨季には、湿気や泥が踏ざんに付着し、摩擦係数が0.15以下まで低下するため、命に関わるリスクが激増します。

はしご作業に適した靴の条件

特長:安全を支える3つの技術的要素

はしご作業を安全に行うためには、単に「つま先が硬い」だけでは不十分です。以下の3点が必須条件となります。

  1. 耐滑性能(SRC規格):ISO 20345で規定されるSRC規格(SRA+SRB)は、セラミックタイルの上の洗剤液、およびステンレス板の上のグリセリン(油)の両方で滑りにくいことを証明しています。はしごの踏ざんが濡れていても、強力なグリップ力を発揮します。
  2. シャンク(芯材)の剛性:靴の土踏まず部分に挿入される「シャンク(Shank)」は、はしごの細いステップに乗った際、靴が「くの字」に曲がるのを防ぎます。これにより、足の筋肉への負担を30%軽減し、長時間の作業でも踏み外しのリスクを抑えます。
  3. 屈曲性とフィッティング:はしごを登る動作は、つま先を支点とした複雑な動きを伴います。先芯(Toecap)が足に干渉せず、かつ足首が適度にホールドされていることで、三点支持(両手片足、または片手両足で常に体を支えること)を確実に維持できます。

導入事例:Before → Action → After

【事例:ビンズオン省 外資系自動車部品工場】

  • Before: 以前は安価な汎用安全靴を使用。年間3件の「はしごからのヒヤリハット(滑り)」が発生し、作業員から「足が疲れる」との不満が出ていた。
  • Action: ハセガワベトナムのアドバイスにより、耐滑基準SRC適合かつ高剛性シャンク搭載のモデルへ全社的に変更。同時にはしごの点検講習を実施。
  • After: 導入後1年間、はしご関連の滑り事故はゼロ。作業員の疲労蓄積による午後の集中力低下が改善され、全体の作業効率が12%向上した。

ハセガワの信頼性:足元から支える「高所作業のトータル安全」

品質管理・認証と独自の安全基準

ハセガワベトナム(Hasegawa Vietnam)は、長年日本で培った「はしご・脚立の専門メーカー」としての知見を、靴選びの基準にも反映させています。当社が推奨する装備は、日本産業規格(JIS T 8101)およびベトナム国家規格(TCVN 7652:2007)の双方に照らし合わせ、厳格な品質管理下で選定されています。

特に、はしごのアルミ合金表面と、安全靴のラバーソールの「相性」については、独自の摩擦試験を実施。乾燥時だけでなく、ベトナム特有の高温多湿環境下(湿度85%以上)でも十分な制動力が得られることを確認しています。

特注対応・サポート体制

私たちは単なる製品供給者ではありません。ベトナム国内の現場へ日本人技術者や専門スタッフが直接赴き、以下のサポートを提供しています。

  • 現場診断: 作業環境(油、水、粉塵の有無)に合わせた最適な靴の選定。
  • 安全講習: はしごの正しい立て掛け角度(75°)と、その際に靴のどの部分で踏ざんを捉えるべきかの実技指導。
  • カスタマイズ: 特殊な床面環境や、日本人・ベトナム人の足型に合わせたサイズの最適化提案。

まとめ

「はしごから落ちない」ためには、高品質なはしごを使うことはもちろん、その性能を100%引き出すための「安全靴」が不可欠です。ベトナムの過酷な現場環境において、安価な装備で妥協することは、結果として甚大な労働災害コスト(平均して1件あたり数億ドンの損失)を招くことになりかねません。

  1. 耐滑性(SRC)を備えた靴を選ぶ。
  2. シャンクの剛性ではしご作業の疲労を防ぐ。
  3. TCVN/JIS規格に裏打ちされた信頼できるサプライヤーを選ぶ。

この3点を徹底することで、あなたの現場の安全レベルは確実に向上します。ハセガワベトナムは、製品と知識の両面から、働く皆さまの「明日も無事に帰宅できる安全」を全力でサポートいたします。