【小売業向け】店舗のディスプレイや作業に便利な脚立の選び方

はじめに

小売店舗で高所作業を担当する売場スタッフや VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング) 担当者、店舗運営責任者に向けて、脚立選びの基本と安全確保のポイントを解説します。陳列替えや照明交換などの“あと少し届かない”場面で、耐荷重や収納性を見落とすと事故や作業停滞のリスクが増大します。本稿では TCVN 7387‑1 と ISO 14122‑3 の要件を踏まえ、高さ別の選定チャートとバックヤードに収まる折りたたみモデル事例を紹介し、導入後の安全教育まで網羅的に解説します。

課題と背景

市場データ

指標 数値・規格 出典
ベトナム小売店舗の平均天井高 2.75 m LinkedIn 建築寸法解説
ゴンドラ什器の標準棚高 1.8–2.1 m RedSheep
脚立関連重大事故の減少率(2020–2024) ▲21 % EHS Today
TCVN 7387‑1:2004 における脚立使用条件 短距離・低頻度・1人使用 TCVN 7387‑1:2004
小売倉庫の致命的墜落事故例 2024/01/25 約2.4 m(8 ft)脚立から墜落死亡 OSHA

上表が示すように、都市型小売店舗の平均天井高は 2.75 m です。標準棚高 1.8–2.1 m と組み合わせると、最上段の商品まで 35–60 cm の“死角”が生まれます。この高さを安全かつ効率的に解消するには、踏面高さ 300 mm 以下の踏み台では不足し、A 字型脚立(最上段 600–900 mm) を使う必要があります。

一方、2020〜2024 年に脚立関連の重大事故は ▲21 % 減少しましたが、依然として年間 200 件超が報告されています。その多くは 器具の選定ミス や設置角度不良に起因しており、POP(販促用掲示物)設置や在庫整理の頻度を考えると油断は禁物です。

リスク提示

  • 器具の選定ミス:TCVN 7387‑1:2004 では脚立の使用を “短距離・低頻度” に限定していますが、実際には在庫整理や POP 設置などで常用されるケースが多く見られます。
  • 設置スペース不足:幅 1 m 未満のバックヤードに重量 9 kg 超のスチール脚立を収納すると通路を塞ぎ、ヒヤリ・ハットを誘発します。
  • 転倒・横揺れ:OSHA が報告する 2024 年の死亡事故では、約 2.4 m 脚立が横揺れして作業者が転落。安定脚付きや水平器付きモデルの重要性が浮き彫りになりました。
  • 教育不足:「三点支持」や角度 75° ルールを知らない新人スタッフが多く、事故原因の約 30 % を占めます。

これらのリスクは ①器具選定 ②保守点検 ③安全教育 を三位一体で実施することで初めて軽減できます。次章では、店舗条件に合わせた脚立仕様の選び方と、安全対策を具体的に解説します。

出典: EHS Today / RedSheep / OSHA / LinkedIn 建築寸法解説 / TCVN 7387‑1:2004

製品・サービス紹介

特長

ハセガワの小売店向け脚立シリーズ 「脚軽(あしがる)Retail‑Pro」 は、軽さ・薄さ・安全性 の三拍子がそろった A 字型アルミ脚立です。最上段高さ 0.8 m でありながら本体質量は 4.6 kg、女性スタッフでも片手で持ち運べます。折りたたみ時の厚みは 67 mm と薄く、バックヤードの什器のすき間にも収まります。

  • 滑り止めディープステップ:幅 65 mm のリブ付きステップが足裏接地面を約 1.8 倍 拡大し、ヒールや革靴でも安定します。
  • ダブルロックヒンジ:開脚角度 75° を保つ自動ロック機構と手動安全バーを採用し、脚立事故の主要因「横揺れ」を 70 % 低減します。
  • 工具トレイ & マグネットホルダー:天板部に 3 kg まで置けるトレイと側面マグネットバーを装備し、POP やインパクトドライバーを仮置きしながら両手作業が可能です。
  • オプション手すり(Tool‑Rail):ISO 14122‑3 が推奨する両側手すりをワンタッチで増設。取り付け後も折りたたみ厚みは 90 mm 以内に収まります。
  • 導電対策 FRP モデル:照明器具交換時の感電リスクを避けたい現場向けに、絶縁耐圧 30 kV/30 cm の FRP サイドレール仕様も選択できます。

全モデルが TCVN 7387‑1:2004 の耐荷重区分「Type I(150 kg)」をクリアし、最終検査で ±2 mm の脚長誤差を保証。購入後 1 年間は無料点検シールと滑り止めキャップ無償交換サービスが付き、保守コストを抑えつつ安全性を維持できます。

ハセガワの信頼性

品質管理・認証

本社およびベトナム・ビンズオン工場は ISO 9001:2015(品質) と ISO 45001:2018(労働安全衛生) のダブル認証を取得し、月次外部監査で 工程不適合率 0.05 % 以下 を維持しています。主要部材には JIS S 1121「可搬はしご」適合のアルミ合金 6063‑T6 を採用し、引張強さは規格値を 18 % 上回る 230 MPa を確認。全製品に シリアルナンバー入り QC シール を貼付し、出荷前に次の 6 項目を 100 % 検査しています。

  1. 開脚角度・脚長誤差(±2 mm)
  2. ステップ荷重試験(150 kg × 10,000 回)
  3. ヒンジ耐久(開閉 20,000 サイクル)
  4. 滑り止めキャップ摩耗試験(ASTM D1630)
  5. 表面アルマイト膜厚測定(JIS H 8602)
  6. 絶縁耐圧試験(FRP モデルのみ 30 kV/30 cm)

合格品には 5 年間の構造保証 を付与し、TCVN 7387‑1 に基づく安全教育マニュアル(日本語・英語・ベトナム語併記)を同梱しています。

特注対応・サポート体制

  • 3D カスタムサービス:天井高や通路幅をオンラインで入力すると 48 時間以内 に最適寸法を提案し、平均 14 日 で納品します。
  • カラーオプション:標準色シルバーのほか、ブランドカラーに合わせた粉体塗装 5 色(RoHS 対応)を選択可能です。
  • 安全巡回点検:年 2 回/店舗、チェックリストと写真付き報告書を提出します。
  • スタッフ講習会:e‑learning と現地実技で累計 1,200 名が受講済みです。
  • スペアパーツ 10 年供給保証:滑り止めキャップやヒンジを即日発送します。
  • 24 時間ホットライン:事故発生時には代替機を最長 7 日間無償貸与します。

これらの体制により、導入店舗では 脚立由来の休業災害ゼロ を 4 年連続で達成しています。

まとめ

平均天井高 2.75 m・棚高 2.1 m の都市型小売店舗では、最大 60 cm の高所“死角”が生じます。本稿では、その死角を 安全かつ効率的に解消 する脚立選定の判断軸を整理しました。TCVN 7387‑1 と ISO 14122‑3 の条文、▲21 % 減でなお残る事故データを踏まえ、軽量薄型の 脚軽 Retail‑Pro を中心に 5 つの安全機構を紹介。さらに ISO 9001/45001 準拠の品質管理、年 2 回の巡回点検、10 年部品供給保証などハセガワ独自のサポート体制も提示しました。器具選定・保守点検・安全教育 を三位一体で推進すれば、売場生産性とスタッフの安心を同時に高められます。