HASEGAWAベトナムとの連携で海外ビジネスを加速させた成功事例集

ベトナムは製造コストの競争力と東南アジア市場へのアクセスの良さから、近年多くの海外企業が進出を加速させています。その中で、ハセガワベトナムは日本の品質基準と現地の生産力を融合させ、海外販路拡大に挑む企業とともに成果を上げてきました。本記事では、こうした連携の背景や意義を明らかにし、全体像を提示します。
対象読者は日系企業の現地製造・販路拡大担当者や、グローバル展開を目指す経営者です。ハセガワベトナムとの協業を通じて販路、生産、海外展開で成果を上げた具体的事例を紹介し、設立背景、展示会活用、現地人材戦略、生産体制、そして今後の展望までを詳しく解説します。

近年、ベトナムの製造業は年平均6〜7％の成長率を記録し、2024年には製造業GDPが前年比6.8％増加しました。また、主要工業団地の土地賃料は中国沿岸部に比べて約30〜40％低く、東南アジア地域内でも競争力がある水準です。さらに、自由貿易協定（FTA）の締結により関税メリットも享受でき、輸出型ビジネスモデルの企業にとって有利な環境が整っています。

一方で、進出企業は現地調達網の未成熟や高度技能を持つ人材の不足といった課題に直面しています。特に金属加工や特殊部材の分野では輸入依存度が高く、調達コストやリードタイムの増大が問題となります。また、販路構築においては現地企業との信頼関係の構築や文化・商習慣の違いへの対応が必要であり、初期段階でのマーケティング投資やネットワーク形成が成否を分けます。

「Lucano」は、ハセガワが培ってきた安全設計のノウハウと、インテリアにも調和する洗練されたデザインを融合させた高級踏台です。アルミ素材の軽量性と耐久性を兼ね備え、踏面の幅や安定感など細部にまで配慮しています。特に日本と米国市場では、安全規格を満たしつつデザイン性を重視するユーザー層から高く評価されています。現地工場での生産により、安定供給とコスト競争力を確保しながら、海外展開において他社製品との差別化を実現しています。

かつてハセガワ製品の供給や販路は中国生産と日本市場に大きく依存しており、海外展開の幅は限られていました（Before）。これを打破するため、ベトナムに新工場を設立し、多能工育成制度を導入することで生産の柔軟性と品質を両立させました。また、現地パートナーと連携して「Cleanfact RHVAC」展示会に初出展し、製品を直接ターゲット市場に訴求しました（Action）。その結果、200件以上の名刺やアンケートを獲得し、多数の商談機会を創出しました。成功を受けて、翌年の「VIMF 2025」への出展を早期決定するなど、販路拡大の加速につながりました（After）。

ハセガワベトナムでは、日本本社の品質基準を厳格に適用しつつ、国際規格（ISO）に準拠した製造体制を構築しています。従業員の約8割が多能工として育成されており、現場の柔軟性と生産効率を高めています。技能習得のスピードは業界平均を上回っており、評価制度と連動したモチベーション管理により、高い品質水準を安定的に維持しています。さらに、現地調達の拡大にも注力し、主要部材の内製化やサプライヤー開拓を進めています。

製品の特注対応や販促活動では、現地パートナーであるビッグビート社が重要な役割を担っています。展示会出展時には、ブース設営や現地スタッフの配置、通訳サービスなどを一括でサポートしています。さらに、現地事務所を拠点とした顧客対応やアフターフォローにより、言語や文化の壁を越えたスムーズな商談環境を提供しています。

ハセガワベトナムとの協業事例は、BtoB市場への効率的な参入方法や展示会を軸にした販路拡大戦略、そして多能工制度による高品質生産体制の重要性を示しています。現地での製造力と国際基準の品質を組み合わせることで、海外展開に必要な信頼性と競争力を同時に確保できます。
今後のビジネス拡大を目指す企業にとっては、展示会出展や生産委託、共同開発といった具体的なアクションが有効な一歩となるでしょう。
関連リンク：ハセガワベトナム公式／Cleanfact RHVAC／VIMF 2025関連