電気工事の事故ゼロへ。プロが選ぶべき「FRP(絶縁)はしご」の必須知識と安全基準

はじめに

建設現場や工場メンテナンスにおいて、電気工事士は常に「見えない危険」と隣り合わせで作業を行っています。特にベトナムの高温多湿な環境下では、機材の絶縁性能が作業者の命を左右すると言っても過言ではありません。しかし、現場では依然として軽量で安価な「アルミニウム製はしご」が電気工事に使用され、重大な感電事故につながるケースが後を絶ちません。

本記事では、ベトナムで活動する電気工事のプロフェッショナル、安全管理者、および購買担当者に向けて、なぜ電気工事には「FRP(ガラス繊維強化プラスチック)製はしご」が必須なのか、その科学的根拠と長谷川工業(Hasegawa)が定める厳格な安全基準について解説します。適切な道具選びは、作業効率だけでなく、あなたとチームの命を守る投資です。

電気工事現場に潜む「見えないリスク」

感電事故の市場データと現状

ベトナムにおける労働災害は増加傾向にあります。2024年の推計データによると、労働災害件数は約8,000件に達し、そのうち600〜700件が死亡事故につながっています。特に建設業は事故発生率が高く、全体の約10%を占める危険なセクターです。

中でも電気に関連する事故は致死率が高く、その多くが「不適切な機材の使用」や「絶縁保護の欠如」に起因しています。米国における統計でも、はしごからの転落事故は建設業における死亡事故の主要因の一つであり、その中には送電線への接触による感電も含まれています。ベトナムの急速な都市開発に伴い、電気設備工事の需要が急増している今こそ、安全基準の見直しが急務です。

アルミ製はしごが招く「短絡(ショート)」の危険性

多くの現場で普及しているアルミニウム製はしごは、軽量で扱いやすい反面、電気伝導率が非常に高いという致命的なリスクを持っています。

電気工事中にアルミ製はしごが誤って通電部分(裸電線や端子)に接触すると、以下の2つの重大な事故を引き起こします。

  1. 作業者への感電: はしごを通じて電流が作業者の体を通り、地面へと抜けることで、重度の火傷や心停止を引き起こします。
  2. アークフラッシュ(短絡): はしごが二つの電位間を短絡させ、爆発的なアーク放電が発生。これにより設備が破壊されるだけでなく、周囲の作業員も爆風や熱傷の被害を受けます。

これらのリスクを物理的に遮断できる唯一の解決策が、絶縁性を持つ素材への切り替えです。

なぜ「FRP(ガラス繊維強化プラスチック)」なのか?

圧倒的な絶縁性能と耐電圧データ

FRP(Fiber Reinforced Plastics)は、ガラス繊維をプラスチックで強化した複合材料です。この素材の最大の特長は、乾燥状態で10^15オーム以上の電気抵抗値を持つ「非導電性」にあります。

長谷川工業が展開する電気工事用はしご(例:RSGシリーズ)は、このFRPを主材料としており、20,000V(20kV) という極めて高い耐電圧性能を誇ります。これは一般的な家庭用電圧(220V)はもちろん、工場の動力電源や高圧設備のメンテナンス作業においても、万が一の接触時に作業者を確実に保護するためのスペックです。アルミ製と比較すると重量は30〜50%増加しますが、この重さは「命を守る盾」の厚みと言い換えることができます。

ベトナムの気候に適した「耐久性」

ベトナムの気候は、高温多湿かつ強い紫外線が特徴です。木製のはしごは湿気で腐食しやすく、鉄製は錆びやすいという弱点があります。一方、FRPは以下の特性により、ベトナムの環境に最適です。

  • 耐食性: 錆びることがなく、沿岸部や化学工場内でも劣化しにくい。
  • 耐候性: 紫外線や激しい温度変化(灼熱の屋外から空調の効いた室内へ)にさらされても、強度が低下しにくい。
  • 熱絶縁: アルミのように熱を伝えやすくないため、炎天下の屋外作業でもはしご自体が火傷するほど熱くならず、安全に把持できます。

導入事例:工場メンテナンスの現場から

【Before】

ハノイ近郊の工業団地にある製造工場では、照明交換や配線点検に汎用的なアルミ脚立を使用していました。ある日、天井裏の配線作業中に脚立が老朽化したケーブルの被覆に接触し、ブレーカーが落ちる事故が発生。作業員に怪我はありませんでしたが、工場ラインが2時間停止し、多額の損失が発生しました。

【Action】

安全管理部門は、電気工事エリアでのアルミ製はしごの使用を全面禁止し、長谷川工業基準のFRP製はしご(RSGシリーズ等)を一括導入しました。

【After】

導入後、電気的な接触事故はゼロに。また、FRP製はしごの剛性が高いため、高所での作業時に「揺れ」が少なくなり、精密な配線作業のスピードが向上したという予期せぬメリットも報告されています。

主要データ:電気工事用はしごの選定基準とリスク

  • ベトナムの労働災害数: 約8,000件/年(2024年推計)、建設業が約10%
  • Hasegawa RSGシリーズ耐電圧: 20,000V(20kV)
  • 最大使用質量: 110kg(プロ仕様の頑丈さ)
  • 素材特性(アルミ): 導電性あり(感電リスク高)、熱伝導率高い
  • 素材特性(FRP): 非導電性、耐食性・耐候性に優れる

Hasegawa Vietnamが提供する「世界基準の信頼」

日本品質の安全基準と「揺れない」技術

Hasegawa Vietnamの強みは、単に「ベトナムで作っている」ことではありません。「日本の品質基準で、ベトナムで作っている」点にあります。親会社である長谷川工業は、JIS(日本産業規格)やSG(製品安全協会)の基準をクリアするだけでなく、さらに厳しい社内規格を設けています。

特筆すべきは、10万回 に及ぶ昇降耐久テストです。これは週5日、1日100回昇降しても約4年間壊れない計算になります。また、ダナン工場は世界4カ所の試験センターの一つとして機能しており、日本と同等の品質管理体制が敷かれています。

長谷川工業のブランドメッセージ「乗ればわかる、頼もしさ(Reliability you can feel when you step on it)」は、FRPはしごにおいても健在です。FRP素材はしなりやすい性質がありますが、長谷川の設計技術により、高所での横揺れやねじれを抑制。手元の細かい作業が求められる電気工事士にとって、足元の安定感は作業品質に直結します。

ベトナム国内でのサポート体制

海外製の高級はしごを導入する際、懸念されるのが「入手性」と「アフターサポート」です。Hasegawa Vietnamはダナンに製造拠点(2013年設立、2014年生産開始)を持ち、日本やアメリカといった主要市場へ製品を供給するグローバルハブです。

これにより、ベトナム国内の建設プロジェクトや工場に対しても、高品質な製品を安定して供給できる体制が整っています。交換部品の対応や、正しい使い方の講習といったサポート面でも、現地法人ならではの迅速さが期待できます。

まとめ

電気工事におけるはしご選びは、コストの削減対象ではなく、安全への投資対象です。20,000Vの耐電圧性能を持つFRPはしごは、目に見えない電気の脅威から作業員を守る唯一の物理的なバリアです。

ベトナムの過酷な環境に耐えうる耐久性と、日本の職人が認めた「揺れない」品質を兼ね備えた長谷川工業のFRPはしご。現場の安全レベルを一段階引き上げるために、今こそ機材の見直しを検討してください。安全は、すべてに優先します。