はじめに
建設、製造、物流などの現場では、梯子や脚立(以下、梯子)は日常的に使用されています。しかし「短時間だから大丈夫」という安易な認識は、重大な事故を招く危険があります。英国HSEとLadder Associationが共同発行したLA455では、作業時間の長短ではなくリスク評価を優先すべきと明確に示しています。短時間であっても、設置条件や作業環境、作業者の熟練度が安全基準を満たさない限り、使用は許容されません。本記事では、LA455の正しい適用条件や短時間使用の本当の意味、そして現場で押さえておくべき安全使用のポイントを解説します。
課題と背景
市場データ
英国HSEの統計によれば、高所作業による死亡事故は全体の約25%を占め、その多くに梯子が関与しています。非致死性の墜落事故も年間数千件発生しており、原因は過荷重や設置不良、使用者の不適切な姿勢や行動などに分類されます。これらの数字は、梯子の使用が日常的であっても安全が自動的に担保されるわけではないことを示しています。
リスク提示
「短時間だから安全」という考えは、重大事故を誘発する典型的な要因です。LA455では、作業時間ではなく、作業環境や負荷、作業者の能力などを総合的に評価することが求められます。30分ルールは「30分以内なら安全」という意味ではなく、30分を超える場合は他の高所作業用機材(足場や作業台など)の使用を検討すべきという目安です。
製品・サービス紹介
特長
LA455が推奨する正しい使用条件には、設置角度75°の保持、作業中の三点支持(両足+片手または両手+片足)、製品ごとの荷重制限の遵守が含まれます。作業前には必ず目視点検を行い、損傷や摩耗の有無を確認します。直梯子は安定した接地と確実な固定(タイング)が必須です。脚立は四点接地を確保し、ロック機構を確実に掛けます。伸縮タイプは各節のロック状態を確認し、コンビネーションは構成ごとのロックと使用モードの適合性を確認します。
導入事例(Before → Action → After)
- Before:短時間作業のため不安定な梯子を使用
- Action:LA455基準の研修導入、安定器具や固定の徹底
- After:事故ゼロを継続、作業効率15%向上
ハセガワの信頼性
品質管理・認証
ハセガワはISO9001を取得し、EN131準拠製品を提供しています。全製品を出荷前に全数検査し、定期的な強度試験で耐久性と安全性を確認しています。これにより、長期使用にも耐える高品質な梯子を現場へ供給しています。
特注対応・サポート体制
現場環境や用途に合わせた特注梯子の設計・製造にも対応します。サイズや形状、材質など細部まで現場ニーズに合わせてカスタマイズが可能です。納入後には現場での安全講習や定期点検サービスを提供し、運用後も長期的に安全を支援します。
出典: ハセガワ株式会社 公式サイト
出典: 厚生労働省 労働安全衛生規則(日本)
まとめ
短時間の作業であっても、作業環境や使用条件を正しく評価し、安全基準を満たすことは不可欠です。LA455の指針は、時間ではなくリスクを基準に判断する重要性を強調し、この考え方は現場での安全文化の定着に直結します。安全な設置方法の徹底、荷重制限の遵守、定期点検の実施といった基本を守ることで、事故を未然に防ぎながら作業効率を高めることができます。