はじめに
ベトナムの製造・建設現場において、急速な経済成長の裏で「労働災害」が依然として深刻な課題となっています。特に、高所からの「墜落・転落」は死亡事故の主要原因の一つであり、その多くが、実は日常的に使用される「はしご」や「脚立」の不適切な使用や、規格外製品の破損に起因しています。
企業の安全管理者や経営者にとって、従業員の命を守ることは人道的な義務であると同時に、法的な義務でもあります。ベトナムの最新の法規制を無視した機材選定は、事故発生時に多額の罰金や刑事責任、そして社会的信用の失墜という取り返しのつかないリスクを招きます。
本記事では、ベトナムの労働安全衛生法や国家技術規則(QCVN)に基づき、管理者が知っておくべき法的責任と、事故を未然に防ぐための具体的な機材選定基準について解説します。
知っておくべき法的枠組みとリスク
ベトナムで事業を行うすべての企業は、労働安全衛生法(Law No. 84/2015/QH13)を遵守する義務があります。特に第16条では、雇用主に対し「安全基準を満たした機械・設備の提供」を厳格に求めています。
QCVN 18:2021/BXD:建設安全の「バイブル」
現場管理者が最も留意すべきは、建設省が発行した国家技術規則 QCVN 18:2021/BXD です。この規則は建設現場だけでなく、メンテナンスや設備設置を行う多くの産業現場で参照される基準です。
- 2メートルルールの厳格化: 床面から2メートル以上の高さでの作業では、手すりの設置や、それが不可能な場合の墜落制止用器具(安全帯など)の使用が義務付けられています。
- はしご・脚立の要件: 同規則では、使用するはしごに対して「堅固な構造であること」「滑り止め措置が講じられていること」を求めています。
法的リスクの現実:罰金と責任
法令に違反し、適切な安全措置を講じなかった場合、政令 12/2022/ND-CP に基づき行政罰(罰金)が科されます。しかし、より恐ろしいのは事故発生時の責任です。MOLISA(労働傷病兵社会問題省)のデータによれば、死亡事故の原因の約47%が「雇用主側」にあると判断されています。
「たかが脚立」という認識で安価な規格外品を選定した結果、事故が起きれば、管理者は「予見可能なリスクを放置した」として法的責任を問われる可能性があるのです。
なぜ「安価な脚立」が法的リスクになるのか?
「揺れ」と「音」が招くヒューマンエラー
多くの労働災害は、作業員の不注意(ヒューマンエラー)として処理されがちですが、ハセガワベトナムはその根本原因に「機材への不安」があると考えています。
ガタツキ(揺れ)のある脚立や、昇降時にきしむ音は、作業者に無意識の恐怖心を与えます。このストレスが注意力を散漫にさせ、足を踏み外す原因となるのです。つまり、JIS(日本産業規格)やEN(欧州規格)、ANSI(米国規格)といった国際基準を満たさない安価なローカル製品を使用すること自体が、潜在的な事故要因を現場に設置していることと同義です。
ハセガワが提供する「安全」というソリューション
Hasegawa Vietnam(長谷川ベトナム)は、単なる脚立メーカーではありません。私たちは、日本の安全基準をベトナムの現場に実装する「安全ソリューション・プロバイダー」です。
1. グローバル基準の品質をベトナムで
ダナンにある当社の工場は、日本、中国と並ぶ、世界に4カ所しかないハセガワグループの主要試験センターの一つです。ここでは、JISやSG(製品安全協会)基準に基づき、週5日、1日100回の昇降を想定した10万回以上の耐久試験や、厳格な負荷試験が実施されています。
ダナンで製造された製品の多くは、安全基準が世界で最も厳しいとされる日本やアメリカへ輸出されています(輸出比率:日本約40%、香港約41%、米国約16%)。つまり、ベトナム国内のお客様は、「世界最高水準の輸出品質」をそのまま現地で調達できるのです。
2. 「乗ればわかる、頼もしさ。」
ハセガワの製造哲学は、データ上の強度だけではありません。人間が乗った時に感じる「感覚的な安心感」を重視しています。
脚軽(Ashigaru) シリーズ: 「軽くて丈夫」を極めたJIS適合品。軽量であるため、女性や高齢の作業員でも楽に持ち運べ、移動時の転倒リスクを低減します。また、片手で閉じられる「ワンタッチバー」は、作業効率と安全性を両立させます。lucano(ルカーノ) シリーズ: デザイン性と安定性を兼ね備え、オフィスや商業施設での使用に最適です。幅広のステップと安定感のある構造は、不慣れな作業者の恐怖心を和らげます。
導入事例:日系工場メンテナンス部門
ある日系工場の保全部門では、市場で購入した一般的なアルミ脚立を使用していましたが、高所作業時の「揺れ」に対する作業員の不安が強く、作業時間が長引いていました。 Action: ハセガワの専用脚立を導入。 After: 「揺れが全くない」という安心感から作業効率が向上し、導入後1年間、脚立に関連するヒヤリハット報告がゼロになりました。これは、機材の品質が直接「安全」に寄与した好例です。
管理者が明日から実施すべきアクション
法的責任を果たし、従業員を守るために、管理者は以下の3つのアクションを直ちに実行すべきです。
1. 機材の「棚卸し」と「廃棄」
現場にあるはしご・脚立をすべて点検してください。
- 滑り止めゴム(端具)は摩耗していませんか?
- リベット(接合部)に緩みやガタツキはありませんか?
- 変形した機材は「もったいない」と思わず、直ちに廃棄してください。
2. 法令に基づく安全教育の実施
政令 44/2016/ND-CP は、労働者に対する安全衛生教育を義務付けています。特に、厳格な安全要求が求められる作業(グループ3)に従事する作業員には、はしごの正しい立て方(75度の法則)や、3点支持の原則などの実技教育が不可欠です。
3. 「適合証」のある製品への切り替え
新規購入時は、価格だけで選ばず、JIS、EN、ANSI、またはTCVN(ベトナム国家規格)に適合しているかを確認してください。Hasegawa Vietnamの製品は、これらの国際基準をクリアした設計となっており、コンプライアンス面でも安心です。
まとめ
労働安全への投資は、決して「コスト」ではありません。それは、かけがえのない従業員の命を守り、事故による操業停止や法的リスクから企業を守るための、最も確実な「保険」です。
Hasegawa Vietnamは、日本の職人技とベトナムの製造力を融合させ、「乗ればわかる、頼もしさ」を提供し続けています。法令遵守と現場の安全確保のために、ぜひ一度、私たちの製品の「揺るぎない品質」をご体感ください。